FXの自動注文は、ほとんどの方法がエントリー専用、決済専用というものが多いです。 今回紹介する“トレール注文”は、決済するときのみ使われる注文方法です。 FX取引において、FX初心者でもよく考えていることは、“利益確定をしようか、ポジションを保有しようか”ということでしょう。 迷っている間に、含み益がどんどん減少するというのが、1番利益も時間も無駄にすることになります。 こういうときのために、トレール注文の基本的な仕組みを知っておきましょう。
目次
“利益をもう少し伸ばしたい・・・”トレーダーの願いを叶えるトレール注文
トレール注文は、FX相場の値動きによって、注文価格が“自動で付く”という注文方法で、逆指値注文の一種です。
トレールという言葉に“追いかける”という意味があり、利益をある程度追いかけるときに使用する注文方法だと言えるでしょう。
現在保有しているポジションで、“もう少し利益を伸ばしたい・・・”という気持ちは、誰にでもあると思います。
しかし、そのまま値ごろ感だけを頼りに、ポジションを長く保有してはいけません。
それこそ、冒頭で言ったように、利益と時間の無駄になってしまうでしょう。
トレール注文がオススメ
“利益はもうちょっと伸ばしたいけど、もしものときのために利益の確保もしたい”という方にオススメなのが、このトレール注文です。
通常のFX取引であれば、当然そんな贅沢な取引は出来ませんよね。
トレール注文は、利益を“追いかける”注文方法ではありますが、その根本的な考えは、“損失の確定”にあります。
“トレールストップ注文”とも呼ばれていて、ストップロスに効果的なところが、多くのトレーダーにも支持されています。
買いポジションの決済と、売りポジションの決済で使用するトレール注文
トレール注文は、どんなときに出すべき注文方法なのでしょうか?
まず、買い注文のときの場合で説明します。
買い注文の場合、ストップロスの設定をしている価格が、FX相場の上昇トレンドに伴い、後を追いながら上昇していきます。
最終的に、あらかじめ決めておいた値幅を保ちながら、自動で切り上がっていくというシステムです。
このとき、1回切り上がったレートは、絶対下がることはありません。
例えば、今のFX相場のレートが1ドル100円で、買いポジションを建てたとしますね。
99円でストップロスされる逆指値注文を出せば、この差額の1円を保って後を追っていきます。
この差額の金額は、“トレール幅”と呼ばれています。
FX相場が下降せずに、99円に達した場合は、その価格になった時点で、売りの逆指値注文が約定することになります。
つまり、1円の損失が確定したということですね。
大体の場合は、FX相場が上下を繰り返しながらも、予想通りに上昇していき、トレール注文が同時に切り上がるということになります。
上昇していけば、102円まで上昇した後、101円まで下がったところで、トレール注文の売り注文が約定、という感じになります。
1ドル100円のときに買いポジションを建てているので、この時点で1円の利益を確定することができます。
売りポジションの決済のケース
売りポジションの決済のケースも紹介します。
先ほどとは逆で、ストップロスで設定した価格が、FX相場の後を追い、あらかじめ決めておいた値幅で切り下がっていくことになります。
この切り下がったレートも、上がっていくことはありません。
1ドル100円のときに売りポジションを保有したとすると、101円でストップロスの逆指値を出している場合、1円がトレール幅ということになります。
このままFX相場が101円に達したとき、逆指値の買い注文が約定することになり、1円の損失が決定します。
売り決済の場合でも、FX相場が上下しながらも、予想通りに下がっていくことが多いです。
97円50銭まで下げた後、98円50銭まで再び上がると、この時点でトレール注文の買い注文が成立することになります。
最終的な決済は、手動で行っているトレーダーも多い?
トレール注文は、基本的には利益確定の価格を決めません。
FX相場が上昇・下降した分は、利益も勝手に切り上がる、もしくは切り下がることになります。
もちろん、決済するまで続くので、この切り上がり・切り下がりが起こった分の利益は、確定値ではありません。
極端に言うと、FX相場が同じ方向にずっと動いていれば動いているほど、ずっとついていくのがトレール注文の特徴です。
いつまでも利益確定しない
つまり、ずっと付いていくだけで、いつまでも利益確定はしないということですね。
トレール注文を上手く行うには、タイミングを常に狙うことが大事です。
タイミングを見て利益確定の決済を手動で行うか、FX相場の反転を待つということになるでしょう。
FX相場が反転すれば、ストップロスがかかり、ポジションが決済されることになります。
トレール注文を使う方の多くは、自動決済を待たないパターンが多いようです。
最終的には、自分でタイミングを見計らって、手動で決済するのが、1番確実かもしれません。