FX取引の注文方法には、必ずメリットとデメリットがあります。 どれだけ便利な注文方法でも、その注文方法が向いていないFX相場などは必ず存在しています。 今回紹介するのは、“ストリーミング注文”です。 FX初心者は、あまり聞きなれない注文方法かもしれませんが、考え方は決して難しくありません。 FX初心者は、なるべくシンプルな注文方法から勉強していき、ゆくゆくは自動注文を使いこなせるようになるというのが、正しい順序だと思います。
目次
ストリーミング注文と“成行注文”はどこが違うの?
ストリーミング注文とは、現在表示されているFXのレートを見ながら注文を出すという方法です。
売り注文でも買い注文でも、クリックするだけで注文することが可能です。
リアルタイムでの注文と聞くと、“成行注文”が頭に浮かぶかと思います。
成行注文と違うところは、ストリーミング注文が“指値注文”だというところです。
注文をクリックした時点で、FXレートに表示されている金額に対する指値注文が、ストリーミング注文です。
“ここで買いたい、売りたい”というタイミングで注文を出し、実際に約定する金額が同じとは限らない成行注文とは、少し意味合いが違います。
注文画面は、FX会社によって多少の違いはあります。
しかし、基本的にはBidとAskのレートが大きく表示されており、赤と青で色分けされています。
ワンクリックで成立してしまう注文方法なので、うっかり逆に注文を出してしまわないように気を付けましょう。
ストリーミング注文におけるスリッページについて知っておこう
先ほど、“成行注文は、注文した額と違う価格で約定することが多い”ということを言いました。
実は、ストリーミング注文でも、スリッページが起こらないとは限らないのです。
ストリーミング注文における、スリッページについて解説しましょう。
スリッページは、注文を出した価格から不利な状況へ動いた場合、注文がなかなか成立しないことがあります。
重要な経済指標などが発表されたときには、FX相場の動きが非常に大きくなると予想されます。
例えば、119.37円で売りの注文を出したとします。
この注文がFX会社に届いて、実際に取引が行われるまでの間、数秒もしくはコンマ数秒の間に、レートが下がってしまうかもしれません。
許容のスリップを3pipsと設定している場合、119.00円で買いの注文を出すとすれば、119.03円以下の価格のときだけ、約定します。
これが119.4以上なら、許容スリップを超えていますので、約定しないことになります。
また118.96以下の場合は、許容スリップの3pips以上離れた額ではありますが、買いにとっては有利な価格なので、約定するということになるのです。
損切りしても決済が成立しないことがある
ストリーミング注文では、不利な方向にスリップした場合、設定した許容スリップの額を超えたら約定しないシステムです。
もちろん、決済注文の場合も同じです。
含み損が出ているポジションを損切りしようと考えて、手動で損切りしても、スリッページによって決済が成立しないということがあります。
損切りは、できるだけ早期に行うのが、FX取引の鉄則です。
損切りをするときに、スリップで決済が上手くいかないケースに陥らないように、許容スリップを高く設定して対策を練っておきましょう。
また、許容スリップの制限をなくして、損切りが必ず約定するようにしておくのも効果的な方法です。
ストリーミング注文のデメリットをまとめて解説!
ストリーミング注文の簡単なデメリットを解説します。
先ほどの説明でほぼ分かって頂けたかと思いますが、ストリーミング注文の最大の敵は、スリッページです。
数pipsであればまだ想定内ですが、FX相場の変動が大きければ、思ってもみないタイミングで約定してしまうかもしれません。
損切りとの兼ね合いもありますが、普段は基本的に許容スリップ3pips前後をめどに、設定しておくことが大事でしょう。
また、注文を簡単に出すことができるので、FX相場の状況をよく見ずに、迂闊な注文を出してしまいがちと言えます。
売り注文も買い注文も、FXのレートを見ながらクリックするだけなので、気が付いたらポジションをたくさん持っていたというケースも考えられます。
買いと売りの注文間違えに注意
そして冒頭でも少し触れましたが、買いと売りの注文を、逆に出してしまわないように注意しましょう。
決済注文を行う場合、反対の注文ボタンしか表示されないように工夫がされていますが、通常時(新規注文)は買いも売りも選択できます。
注文ボタンの色が分かれていない場合や、BidとAskの字が小さくて見にくい場合もあります。
スマホの注文画面なんかは、文字が小さい場合が多いので注意しましょう。
買いと売りの注文を間違えて出しても、利益に繋がる場合もあります。
自分の思った方向の逆にFX相場が動いた場合、それは利益になりますが、もちろん偶然の産物です。
FX取引で、まぐれというものに乗っかると、味を占めてしまうことがよくあります。
きちんと根拠のあるFXで、利益を獲得するようにしましょう。