FXのテクニカル指標の中には、オシレーター系の指標が進化して、トレンド系にも強くなったというものも存在します。 “DMI”は、オシレーター系指標として有名なRSIが進化した、トレンド系の指標です。 難易度は少し高めになっていますが、それはそれだけ、FX相場が細かく、正確に分析できるということが言えるでしょう。 DMIの基本から、FXへの活用方法まで解説していきましょう。
サブチャートのDMIを確認しながら、チャートと照らし合わせるのが基本
DMIは、チャート上のローソク足と同じ場所ではなく、その下のサブチャートと呼ばれる場所に表示されるテクニカル指標です。
赤く表示されているラインが、“+D1”という上昇トレンドを表すラインです。
“-D1”という青いラインが、下降トレンドを表しています。
緑で表示される“ADX”というラインは、上昇・下降問わず、トレンドの強弱を表しています。
DMIは、これら3つのラインを使って、FX相場と交互に確認しながら、売買ポイントを探っていきます。
+D1、-D2、ADXの特徴を覚えて、FX相場が今、どんな方向を向いているのか。
さらには、トレンドが出ているのか出ていないのかというのを判断できる、高難易度ながらも、オーソドックスなトレンド系指標と言えますね。
FX相場が下降トレンドの場合、-D1のラインが上昇します。
+D1は下降して、ADXは上昇しているという状況になります。
上昇トレンドの場合はこの逆で、+D1のラインが上昇し、-D2が下降します。
ADXはトレンドの強さですから、どちらの状況でも上昇することになります。
DMIの注意点、ADXの重要性を勉強しておこう!
DMIには、分析する期間をどれぐらいに設定するかという、“パラメータ”というものを設定する必要があります。
14日という期間を使用するのが一般的ですが、DMIが敏感にFX相場に反応するように、9日が使用されることもあります。
DMIを使って、FX相場の状況を把握する方法を紹介しましょう。
先ほども少し触れましたが、+D1とADXが上昇しているとき、-D1が低水準にある場合は、上昇トレンドが発生しているときです。
また-D1とADXが上昇しているとき、+D1が低い水準にあるときは、下降トレンド発生ということになります。
そして、+D1、-D1、ADXすべてが低い水準で推移しているときは、FX相場がレンジ相場であることを表しています。
レンジ相場かどうかは、極端に言えばADXを確認するだけで把握することが可能です。
そして、もう1つ重要なポイントは、+D1と-D1が交差するポイントです。
レンジ相場からトレンドに入る場合、必ず+D1と-D1が交差することになります。
この動きを見て、FX相場のトレンドを察知するというのが、DMIの最も基本となるサインです。
ただし気を付けたいのは、レンジ相場の場合でも、±D1は交差しているということです。
結局は、ADXの確認をしっかり行うことで、レンジ相場とトレンド相場を判断することになります。
ADXの上昇が絡んでいない場合の、±D1の動きは、売買サインとしては最初から除外していくことが大事でしょう。
DMIを使ってエントリーした後は、とにかくADXの動きに注意します。
上昇下降に関わらず、トレンドが強さを保っているときは、ADXが上昇しますが、弱くなるとすぐに下降します。
ADXの傾きでトレンドがどこまで続くか推測し、絶好のポイントで決済することが重要な動きでしょう。
買い取引も売り取引も、基本的なスタイルには変わりのないDMIの取引事例
DMIを使った、FX取引の事例も見ておきましょう。
まず、サブチャートで-D1が+D1を上に抜けているところを発見したとしますね。
このときADXは、まだ低い水準で推移していて、徐々に上昇してきていると、少しずつトレンドが強くなってきていることが分かります。
これでトレンドの条件は揃ったので、ここでショートのエントリーを出しましょう。
このまま順調にいけば、ADXはどんどん上昇し、トレンドはどんどん強くなっていきます。
買い戻すタイミングは、ADXの上昇が限界を迎えて、少し下降し始めたところです。
+D1が-D1を上に抜けている場合も紹介しておきましょう。
基本的には、すべてが逆と思って頂いて結構です。
ADXが少し下降気味の状況から、徐々に上昇に転換し始めると、ロングのエントリーをします。
ADXのイグジットポイントも同じで、上昇の限界が下降し始めたポイントです。
DMIというテクニカル指標は、とにかくチャート分析にこだわりがある人に、利用していただきたい指標と言えるでしょう。
+D1、-D1、ADXの癖を完全に把握することができれば、FX初心者でも使えると自信を持っている指標です。
チャート画面、それぞれのラインと確認するポイントは少ないとは言えませんが、FX相場の分析の精度は、確実に向上するでしょう。
気を付けたいのは、チャート画面と同時に見ることによって、それぞれのラインの特性が混同してしまわないようにすることです。