FX初心者が、テクニカル指標に求めるものと言えば、何と言っても“シンプルさ”ですよね。 複雑な指標は、マスターすれば生かすことができると分かっていたとしても、なかなか時間と労力が必要になります。 今回紹介する“モメンタム”という指標は、日本語に訳すと“勢い”という意味を持つテクニカル指標です。 FX初心者が、いきなり最初に使うことはあまりありませんが、シンプルな手法として有名ですよ!
目次
驚くほどシンプル!モメンタムを構成するラインは1本だけ
モメンタムは、サブチャートに青いラインが表示されています。
見方はとてもシンプルで、サブチャートの上の方にラインがあれば、上昇の勢いが強く、下の方にあれば下降の勢いが強いということが言えます。
モメンタムの特徴は、上限下限に具体的なパーセンテージがないということです。
目でラインを確認して、高いか低いかを判断することになります。
モメンタムを確認するときに、1番着目したいのは0のラインです。
これも見方は簡単で、0のラインより上なら上昇トレンドで、下ならば下降トレンドということになります。
さらにモメンタムは、シンプルなオシレーター系指標ながら、トレンドの転換ポイントを見極めることも可能です。
0のラインを挟んだところから、トレンドは転換していくことになります。
0のラインをクロスして、モメンタムが抜けて行けば、上でも下でもトレンドに転換していると判断できるわけです。
トレーダーに理解して頂きたいのは、モメンタムはFX相場の方向と勢いを把握し、トレンドの転換も判断できるテクニカル指標だということです。
シンプルすぎて、逆に心配になるぐらい見方は簡単ですが、とにかくいろんなことが判断できる指標だと認識しておいてください。
モメンタムと関連性の深いテクニカルと並行して、モメンタムを紹介します
モメンタムの具体的な見方を、他のテクニカル指標との関連性を交えて解説してきましょう。
モメンタムは、単純移動平均線ととても密接な関係にあります。
モメンタムの基本的なパロメータ21で考えてみると、モメンタムの値がプラスの場合は、単純移動平均線が右上に傾くことになります。
モメンタムの値がマイナスであれば右肩下がりであり、0なら単純移動平均の0という関係にあります。
分かりやすく言うと、モメンタムは単純移動平均線の傾きを、そのままグラフ化してくれている指標というわけです。
単純移動平均線だけでは分かりにくい、傾きの方向が変わるポイントを、モメンタムのグラフが可視化してくれているというわけですね。
モメンタムをこういった方法で使用した場合は、自分がFX取引の参考にしたい単純移動平均線に合わせて、適切なパラメータを設定するようにしましょう。
一目均衡表との関連
一目均衡表との関連性も説明します。
一目均衡表には、遅行スパンというラインがあり、これは単純にローソク足26本分を、チャートの左側に移動させたものです。
ローソク足26本分、前の終値と現在を比較しているということです。
この考え方が、モメンタムと全く同じなのです。
遅行スパンと合わせて、モメンタムのパラメータを26に設定すれば、遅行スパンで分かる情報は、モメンタムでも把握することができるのです。
遅行スパンにおける大きな売買サインは、ローソク足のブレイクです。
これはトレンド発生を予感させるサインなので、モメンタムが0のラインをブレイクすれば、トレンドの発生サインを確認することができるということです。
いろんなテクニカル指標と同じ仕様を持っているモメンタムが、いろんなことが判断できる指標だというのは、分かってもらえたかと思います。
“スーパーサブ”としての役割を生かさないことはないモメンタム
モメンタムは、他のテクニカル指標との相性を加味しながら、組み合わせて使っていくと効果的です。
モメンタムの性質の1つとして、FX相場の方向を判断できるというものがありましたね。
この性質を最大限に生かすには、FX相場全体の流れは把握して、トレードの目的を決めることです。
方向感を察知するのは向いていない、エントリーのタイミングを判断するのに長けているテクニカル指標が、モメンタムと組み合わせるべき指標です。
ストキャスティクスなんかは、相性がバッチリではないでしょうか。
モメンタムが表す取引サインは、0のラインをブレイクしたときです。
このサインを利用して、FX取引を行っていく場合、トレンドが転換した方向に逆らわずに、素直にエントリーしていくという形になります。
ただし注意したいのは、0のラインは、ブレイクを頻繁に発生させるというところです。
このサインのみを使ってエントリーするのも、できないことはありません。
しかしやはり、もう少し他の指標で制度を上げてから、総合的な目線でエントリーポイントを判断した方がいいと思います。
モメンタムは、どちらかと言うとレギュラーではなく、テクニカル界での“スーパーサブ”的な役割であると言えますね。