FXのファンダメンタルズ分析は、各国の政治・経済の状況を参考にします。 しかしそれ以前に、どんな国は経済状況が動きやすく、どんな国は安定しているのかというのを、知っておかなくてはいけません。 今回紹介する“カントリーリスク”は、知っておかないと、自分の取引に思わぬ損失が出てしまうかもしれません。 リスクと名の付くものですから、どう考えても良いことではありませんよね。 具体的な内容を、解説します!
目次
FXにおけるカントリーリスクは“国家の危険性”を表す
カントリーリスクは、いろんな金融商品の取引において、重要視されているものです。
FX取引におけるカントリーリスクとは、ずばり“国の危険性”です。
海外投資のFXを行うにあたって、このカントリーリスクから逃れることはできません。
自分がFX取引をしている対処の国において、政治や経済を含めた、社会環境の変化が起こり、それが予想もつかない危険な状態になることがあります。
カントリーリスクは、経済指標のようなファンダメンタルズとは違い、“意識して避けられる”というニュアンスのものではありません。
カントリーリスクの多い国を知っておくことが必要
簡単に言うと、“不測の事態”ということです。
戦争や内乱、紛争または国家破産など、その国の存続のような、歴史的な事件が起こるリスクというわけですね。
こう言ったリスクは、意識して避けられることではないので、トレーダーは唯一できる対策を取っておかなくてはいけません。
それが、カントリーリスクの多い国を知っておくということなのです。
基本的には、日本も含めた先進国では、政治や経済の状況が安定しています。
特に日本は、戦争のリスクも極めて低い、世界中に安全な国家だと言えるでしょう。
逆に新興国は、政治経済の状況が不安定な所が多いです。
金利が高かったり、大幅に政策金利が変更になったりするのは、それも大きく関係しています。
カントリーリスクが多い国は、FX取引に大きな雷を落とす場合がある
新興国は、比較的カントリーリスクが高いという話をしましたね。
分かりやすく通貨で言うと、トルコリラ、南アフリカランドなどが挙げられます。
FXでも、スワップトレードに向いている通貨として人気がありますが、カントリーリスクを孕んでいる国の通貨だということは、忘れないようにしましょう。
少し話に出ましたが、カントリーリスクが多い国には、戦争や紛争、テロなど経済活動が不可能になるような出来事も起こりやすいです。
国内が危険な状況に陥ってしまうと、その国の通貨はどんどん海外に持ち出されていき、そもそもFX取引ができる状況ではなくなるかもしれません。
FXとはあまり関係ないですが、未だに戦争やテロの頻度が高いアフガニスタンや、無政府国家で経済が崩壊しているソマリアなど、明らかにそういう国は、FXにおいてリスクが高いのは分かりますね。
FXで取引している最中でも、そのような事件が起こった通貨は、急に暴落してしまったり、あるいは強制終了されてしまうこともあります。
FXは、ファンダメンタルズも駆使して行うのが、トレーダーの腕の見せ所ではあるものの、いくらなんでも急に取引停止は厳しいですよね。
今の世界中の先進国は、アメリカの軍事一極集中という状態で、秩序が保たれている状態です。
アメリカは、あらゆる要素において世界をリードする存在ではありますが、近年少しずつ、世界に与える影響力が少なってきたと言われています。
ロシアや中国など、多くの人口を抱える国が、徐々に軍事力を強化しているため、秩序のバランスは、以前より少し傾いてきています。
つまり、戦争が起こるリスクは、少なからず高まっているということが言えますね。
国が破産する?“国家破産”が引き起こす恐怖とは
先ほど少し話に出た、“国家破産”についても詳しく解説しておきましょう。
国家破産は、デフォルトとも呼ばれていて、国家自体が破産してしまう状況のことを言います。
借金を抱えている人が、返済できなくなって自己破産するように、国家も負債を抱えきれずに破産するという場合があるのです。
FXは投資ですので、トレーダーがその国の通貨を使って取引しているということは、その国家に出資をしているのと同じことになります。
貸し倒れの状況が起こってしまう
つまり国家破産が起こると、借金が返せなかったときに起こる“貸し倒れ”の状況が起こるのです。
その国の通貨は完全に暴落し、取引停止に追い込まれることがほとんどです。
日本人にとっては、“本当にそんなことあるの?”と言った感じで、現実味のない話ですよね。
実は、国家破産をしている国は、結構多いのです。
1998年にはロシアが、2002年にはアルゼンチンが国家破産を起こしています。
国家の財政が苦しくなり、国債を返金できなくなっての、苦渋の決断です。
とは言っても、国家破産は新興国のごく一部でしか、現在は可能性としてありえないでしょう。
カントリーリスクが多い国は、先進国にはない悩みを常に抱えているのです。