FX取引において、各国の金利はとても重要です。 金利差を考慮して通貨ペアを選択する、スワップトレードという手法があるぐらいですから、金利には常に注目しておきましょう。 アメリカには米国雇用統計表という、とても影響力の大きな雇用系指標が存在します。 しかし、指標の種類だけで言えば、世界的には“政策金利”の指標の方が、トータルで重要視するべきでしょう。 世界的に影響力のある“アメリカ”、世界的に影響力のあるデータ“政策金利”、これがマッチングした指標が、“アメリカのFOMC政策金利発表”です。
目次
アメリカの政策金利を発表している“FOMC”って何?
政策金利は、FXで使用できる通貨だけで、設定されているわけではもちろんありません。
世界170以上の通貨は、各国の中央銀行によって、政策金利が発表され、金利がしっかりと設定されています。
日本の政策金利を発表しているのは、“日本銀行(日銀)”という組織です。
アメリカの政策金利は、日本における日本銀行のように、1つの組織が発表するわけではありません。
FOMC(連邦公開委員会)という、簡単に言えば金融政策を決めるための会合によって、政策金利が決定されます。
日本の“日銀金融政策決定会合”という会合が、アメリカのFOMCと同じものです。
まず政策金利とは、その国の中央銀行の立ち位置の組織が、地方の銀行に融資を行う際に適応される、金利を指しています。
アメリカのFOMC、ニュージーランドの“RBNZ(ニュージーランド準備銀行)”、オーストラリアの“オーストラリア中央銀行(RBA)”、EUの“ECB(欧州中央銀行)”などが、政策金利を発表する中央銀行として有名です。
ダイレクトに政策金利の影響を受けるスワップトレーダー
FX市場が、この政策金利によって1番ダイレクトに影響を受けるのは、やはりスワップポイントでしょう。
もちろん、トレーダーも政策金利の変動は、ある程度予想しているとは思いますが、基本的に、現状の金利差でトレードできれば理想的です。
日本のような低金利通貨が、いきなり高金利になったりということはなかなかありませんが、逆はそれほどないとは言い切れません。
高金利通貨は、数年間というスパンで確認すると、10数%も金利がダウンしている通貨もあります。
0.1%の金利である日本円の金利が、10%になると考えたら、どれだけ強烈な変動か分かりますよね。
政策金利の変動は、スワップポイントの変動だということは、間違いありません。
政策金利の発表は混乱を招くことにもつながる
日本円と豪ドルのFX取引で考えてみましょう。
日本が0.1%、豪ドルが2.50%の金利体制だとします。
日本は100万円を1年間預けても、1,000円の金利しかつきませんが、豪ドルは25,000円もの金利がつくことになります。
こうして、預金に対する金利だけに着目すると、高金利通貨がいかに得をする通貨なのかということがわかりますよね。
スワップポイントは、先ほどで言うと差額の24,000円を、365日で割って、毎日金利として獲得することができます。
先ほど言いましたが、高金利通貨の政策金利が大きく変動した場合は、それほど得でもなくなってきます。
最悪の場合、高金利通貨の金利が、低金利通貨を下回るという可能性も出てきます。
そうなれば、トレーダーは無駄にスワップ金利を支払い続けなくてはいけなくなります。
このように、政策金利の発表は、FX取引では一部で混乱を招くことにも繋がりかねないのです。
金利が据え置きでも、大きなFX相場の変動は免れない!
アメリカのFOMC政策金利発表のときの、FX相場の動きを見てみましょう。
政策金利の発表は、日本ではほとんど毎月ですが、2ヶ月に1回の発表という国もありますので、事前に曜日を確認しておきます。
FOMCの政策金利発表時は、短期間で一気に上昇するケースが見られます。
とはいっても、政策金利は据え置きになる場合が多く、この大きな上昇が見られるときも、据え置きの場合はあります。
金利が変わっていなくても、FX相場は50pips近く動く場合がありますので、発表の瞬間をじっくり待ちかまえましょう。
ほとんどの場合で、FX相場は上昇しますが、そのときの“要人発言”によっても、大きく差があります。
“今後、政策金利は下がるかも知れない”という旨の発言があれば、当然下降していく十分な材料になり得るでしょう。
ポジションを発表前に取ると効果的
こういうFX相場の状況では、“政策金利が据え置きになる”とある程度予想しながら、ポジションを発表前に取ると効果的です。
もちろん、事前に政策金利についての情報がある場合は別ですが、基本的には据え置きの発表を予想しておきましょう。
そして、アメリカのFOMC政策金利は、日本時間の夜中に発表があります。
発表前にポジションを建てるのであれば、0時頃にエントリーしてしまいましょう。
注文方法として有効なのは、どっちにFX相場が流れた場合でも、利食いと損切りが実践できる“OCO注文”でしょう。
普段のFX相場よりは確実に乱高下が多くなるので、最初は少ない取引単位で特性を知るのもアリですね。