アメリカが発表している経済指標は、すべてがFXに大きな影響を与えるとは限りません。 ですが、やはり世界的に影響力を持つアメリカの指標という事で、それぞれの意味を必ず覚えておく必要はあると思います。 今回紹介するのは、アメリカの連邦公開市場委員会“FOMC”が発表している“議事録”です。 FOMCについても、簡潔に説明していきたいと思います。
目次
FOMC議事録の発表は、日本人トレーダー泣かせの時間帯で発表される
FOMC議事録は、同じくFOMCによって発表される“政策金利”の決定がされた3週間後に発表される議事録のことです。
発表時間も政策金利と同様で、日本時間の深夜に発表されます。
発表される議事録の内容によっては、政策金利の発表よりも、FX相場が荒れる可能性もあると言われています。
日本人トレーダーにとって、なかなかリアルタイムで反応しにくい発表だということが言えるでしょう。
議事録は、会合でのさまざまな取り決めなど、なぜそういう結果に至ったかということがまとめられています。
政策金利が発表されるだけでは、具体的になぜそういう決断に至ったのか、細かい部分は分かりません。
議事録の内容によって、その政策や決定事項の見えなかった部分が見えてくることもあるので、新たにFX相場を動かす材料になる可能性は、十分にあるのです。
FOMC議事録でチェックするべき文言と、それを見てわかる未来のFX相場
FOMC議事録は、基本的にどういうところをチェックすればよいのでしょうか?
議事録でも政策金利でも言えることですが、ほとんどのトレーダーが注目しているポイントは、金利の引き上げか引き下げがほとんどでしょう。
つまり政策金利が、今回の発表で変更されるのかどうかというのが、もっとも注目すべきポイントでしょう。
政策金利の次に注目されているのは、その政策金利が、なぜそういう設定になったのかという課程です。
政策金利の次に議事録が発表されるので、トレーダーはまず金利の発表を知ってから、議事録で課程を知ることになるのです。
多くのFXトレーダーは、政策金利だけではなく、議事録の情報を使って、FX相場の動きを読もうとします。
次回の政策金利発表の予測と判断ができる
例えば、政策金利に動きがなかった場合。
議事録の内容によっては、結果に対するいろんなアプローチの違いが浮かび上がってきます。
金利を引き上げるべき状態で、今回は引き上げを見送ったという情報が、議事録によって把握できたとしますね。
これを参考にすれば、“このまま行くと、次の政策金利は引き上げになる可能性が高い”と予想できますよね。
またさらに、要人によってそのような旨の発言があるとすれば、その信憑性はさらに高まってきます。
それとは逆で、引き上げに反対する議員が多く、過半数を超えていたという情報を察知できたとしたら、今回の引き上げは、あまり本意ではなかったということが読み取れます。
そうすると、次回の政策金利発表では、金利が引き上げされる可能性が少ないと判断できるわけですね。
また、インフレに関する情報というのも、政策金利とリンクしていることが高い情報です。
FOMC議事録で、“多くのFOMC参加者がインフレの拡大を感じている”という情報が理解できれば、金利の引き上げを示唆する発言に取れます。
さらにインフレの見通しがつかなくなったという場合は、とりあえず引き上げも引き下げもせず、現状の金利で静観するという風に判断できるのです。
またFOMCの議事録では、アメリカの“景気感”を表すコメントも、非常に重要視されている項目です。
“アメリカの景気が安定してきている”という認識のFOMC参加者が多ければ、そろそろ金利の引き上げをしてもいい頃合いだと、予想することができるわけです。
深読みせず、重要なワードに反応して動くのが大切
もしFX初心者が、FOMC議事録を取引に生かしたい場合は、そこまで深読みする必要はないということが言えるでしょう。
金利の引き上げ、インフレや景気に関する記載があれば、それだけ見落とさないようにするだけです。
とはいえ、やはり金利政策の情報というのは、FX市場に関して1番大きな影響を与えるものです。
しかもそれが、世界の中心であるアメリカの発表するものとなると、世界中のFX相場に影響を与えることにもなりかねないでしょう。
裏を返せば、事前にアメリカの利上げ、利下げに関する情報を手にしている場合、それほど大きな武器はないということが言えるでしょう。
FX相場の大きな変動に乗って、多くの利益が獲得できるチャンスが、トレーダーにできるとも言えるでしょう。
その可能性があるからこそ、もっと上級のFXトレーダーやアナリストは、議事録をついつい深読みしようとしがちになってしまうのです。
FX初心者は、議事録を深読みしたところで、利益獲得のチャンスから離れてしまうだけだと言えるでしょう。
しっかりと抑えるべき文言を知って、大きな利益を狙わず、議事録がFX相場を動かすという情報を、肌で感じることを目的にしましょう。