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抑えておくべき経済指標

⑤ECB政策金利発表

⑤ECB政策金利発表

アメリカの雇用統計表、FOMCに次いで、FX市場に多大な影響を与えるのが、“ECB政策金利発表”です。 ECBは、EU(ヨーロッパ連合)の機関で、日本では“欧州中央銀行”と呼ばれています。 EU圏における、中央銀行というわけですね。 ユーロ圏は通貨を統一しているので、加盟している数ヶ国の政策金利は、このECBによって決定、発表されています。 どうしてそれほどFX市場に影響を与えるのか、解説していきましょう。

月2回発表されるECB政策金利発表は、1回目の発表に注意!

ECBは、EU加盟国のさまざまな金融政策を決定しますが、その中でももっとも重要と言えるのが、政策金利の発表です。

EU各国に対して、中央銀行は設けられていますが、それらの銀行が一般の銀行に、どれくらいの金利を適応させて貸出を行うかを、ECBが決定します。

例えば、EU各国がインフレ状態の場合、政策金利を引き上げて、中央銀行から他の銀行が資金を借りにくい状況にします。

通貨の流通量を減らすことで、景気の過熱感をコントロールしているわけですね。

デフレの状態になれば、もちろん金利を下げて、市場にもっとお金が出回るように調整を行います。

ECB政策金利発表は、EUの経済を安定させるために必須の指標であり、FXトレーダー以外にも、金融取引を行う投資家であれば、誰もが注目していると言えるでしょう。

ECBは、役員とEU各国の中央銀行の総裁で構成されています。

金融政策に関しては、すべての決定と実行を担っている機関です。

会合は月に2回行われていて、1回目の会合で、政策金利を始めとする決定事項発表と、総裁の記者会見が行われます。

よって、FXトレーダーがより注目するのは、1回目の発表で、2回目以降はそれ以外の金融政策発表がされることが多いでしょう。

ECB政策金利発表が与える影響は、ユーロに対してだけではない

ECB政策金利発表は、当然ながらユーロという通貨に対して、大きな影響を与える指標です。

FX相場への影響も、ユーロを中心としたものが多くなりますが、もちろん他の通貨に影響がないというわけではありません。

ユーロは、世界中で最も多くFX取引で用いられている通貨です。

さらに、ユーロドルという通貨ペアは、FX市場で動いている通貨の約3割を占めているため、米ドルへの影響も大きいです。

たとえユーロが絡んでいなくても、米ドル円、米ドルポンドなど、ドルストレートの通貨ペアでも、大きな変動を見せることは予想しておきましょう。

ユーロに与える影響が多いということは、すなわちFX相場全体に与える影響が大きいということになります。

ユーロが絡んだ通貨ペア以外を運用している人も、無意味な指標では決してありません。

またECB政策金利発表は、アメリカのFOMCなどと比較すると、情報量が乏しい傾向にあります。

ですので、事前に発表内容を予測して、FX取引に生かすというのが、とても難しい指標だと言えるでしょう。

前後ではポジションを持つことを避けて、なるべく発表後に、FX相場が落ち着いたのを確認してから、安全にFX取引を行うのが得策と言えます。

ECB政策金利発表は専門家でも予想が難しい指標

なぜECB政策金利発表は、事前に内容を予測するのが難しいのでしょうか?

それには、ECBの“メンバー構成”が深く関わっています。

例えばFOMCであれば、参加している委員会のメンバーは、全員アメリカ国籍です。

ですので、“アメリカの利益を考える”という共通認識が強く、方向性がまとまりやすいのです。

それに対してECBの構成メンバーは、同じ連合に属している国とはいえ、各国の中央銀行の総裁が、“自分の国の利益を考える”という傾向にあります。

ですので、FOMCと比べてなかなか方向性が定まりにくく、例え上級トレーダーであっても、おおよそを予測するのは難しいと言えるのです。

専門家の数値の予測は外れやすい

またECB政策金利の発表時に、経済の専門家によって予想の数値が発表されます。

トレーダーはこれを参考にすることも多いのですが、FOMCに比べると、非常に予想が外れやすくなっています。

そして予想が外れれば、FX相場は大きな上昇と下降を繰り返す傾向にあるため、FX初心者が参加すれば利益を上げられる確率は、限りなく低くなります。

そしてもう1つ気を付けたいのは、ECB政策金利発表後に行われる、ECB総裁の記者会見です。

基本的には、政策金利発表の内容を説明するのですが、少しでも“今後のFX相場に関係する発言”があれば、より大きな影響を、FX市場に与えることにもなります。

金融緩和の方向を匂わす発言や、内容の変更を意味する発言がある可能性もあります。

そうなると、政策金利発表の意味がなかったかのように、再びFX相場の動きは忙しくなります。

要人発言についても、情報会社などが事前に発言を予想していますが、当たる確率は低いです。

ユーロにとって良い内容の政策が発表されればユーロが買われ、悪い内容であればユーロはどんどん売られていくというのが、基本的な動きです。