FX取引で利益を上げる方法は、為替差益だけではないというのはご存じですよね。 もう1つのFX取引の利益の形であるスワップトレードにおいて、日本人に1番人気がある通貨ペアが、“豪ドル円”です。 豪ドルの特徴を理解すれば、なぜスワップトレードに向いているのか、すぐに理解して頂けると思います。 またオーストラリアという国の経済などに関しても、頭に入れながら運用していく必要があるでしょう。
目次
“高金利通貨=豪ドル”のイメージが強いFX市場
オーストラリアの豪ドルは、“高金利通貨”として、FX以外にも外貨預金などの資産運用で、人気を博している通貨です。
先進国は、こぞって低金利政策を打ち出している国が多いので、豪ドルの金利差を利用しようというトレーダーも多く、オーストラリアに多くの資金が流入しています。
日本円は、世界でも有数の低金利通貨です。
良くも悪くも、数十年という期間に渡って、日本円は低金利を維持し続けています。
豪ドルという通貨ペアは、低金利の日本円と、高金利の豪ドルを組み合わせた、理想的なスワップトレード向き通貨ペアなのです。
豪ドルは安全にスワップ金利を得やすい通貨
もちろん、豪ドル円が人気の理由はそれだけではありません。
高金利通貨と言うと、FX取引において、良い意見と悪い意見が分かれます。
国自体にリスクを抱えた新興国などに高金利通貨が多く、“高金利通貨=危険”と認識しているトレーダーもいます。
しかし、豪ドルは新興国ではなく、世界でも有数の“資源国”です。
石油や石炭など、資源を多く輸出しているため、先進国とのつながりも深いです。
以前は10数%あった金利が、現在は1%台まで下がってきているという、豪ドルの現状もあります。
それでも、豪ドル円が安全にスワップ金利を得やすい通貨だという認識は変わらず、今でもスワップトレード通貨ペアの代名詞として、扱われることが多いです。
豪ドルのスワップトレードと資源国通貨としての顔
豪ドル円を利用したスワップトレードは、非常に簡単です。
スワップ金利は、ポジションがロールオーバーすれば発生するので、ニューヨーク時間が引く時間帯まで、ポジションを取り続けるだけです。
FX初心者でも、スワップトレードをするなら、まずは豪ドル円から入るべきでしょう。
もちろん、リスクがないわけではありません。
先ほども説明したように、10数%あった豪ドルの金利は、現在1%台まで落ち込んでいます。
日本がずっと0.1%という金利を維持し続けていることを考えても、今後の豪ドルの金利変動は、可能性としてはかなりあり得るということです。
低金利通貨、高金利通貨を組み合わせるのがFX取引ですが、金利差がもし逆転してしまったら、スワップ金利は支払わなくてはいけません。
スワップトレード全体における問題ですが、豪ドルも例外なく、そういったことが考えられるということを、忘れてはいけません。
豪ドルが他国の経済に影響を与えることもある
またオーストラリアは、先ほども言ったように資源国なので、豪ドルが他国の経済に影響されるというケースも見られます。
オーストラリアが、1番の輸出国としているのは中国です。
中国の元という通貨は、FX取引ではあまりメジャーではなく、取り扱っているFX会社もすべてではありません。
ましてや、中国(CND)の経済指標は、FX取引をする上で、全く参考にする必要はないと考えられますが、豪ドル円の場合は別です。
中国の経済状況も加味しながら、豪ドル円は運用していかなくてはいけないのです。
豪ドル円で為替差益を狙うには、高いFX技術が必要
豪ドル円の取引について解説します。
豪ドル円はスワップトレードが一般的ですが、買いから入る取引で、為替差益を狙うことももちろん可能です。
またリスクオン相場は、豪ドルと非常に深い関係にあります。
リスクオン相場で豪ドルは上昇するということだけ、最低限頭に入れておきましょう。
これは、低金利の国から、オーストラリアに一気に資金が流入することが原因です。
豪ドル円をチェックするのに欠かせないのは、世界で1番早くオープンするオセアニア市場です。
オセアニア時間は、前日のニューヨーク時間の勢いを残したまま、値動きが出る可能性もある時間帯です。
東京市場がオープンしても、特に大きな動きは見られないことが多いです。
中国経済(特に株価)は、徐々にチェックしていく必要性が出てきます。
そして中国の経済指標発表は、東京時間に行われます。
発表時間を把握して、発表後の豪ドル円の値動きを、しっかり確認しましょう。
日本時間の15時を過ぎると、ヨーロッパの指標や経済に注目が集まります。
ユーロ豪ドルなど、ヨーロッパの通貨と絡んでいる通貨ペアも、視野に入れて行かないといけません。
ニューヨーク時間になると、15時ごろと一緒で、豪ドル米ドルなどの動きに影響され、豪ドル円のFX相場の様相が変わることもあります。
豪ドル円のスワップトレードが簡単と言われるのは、逆に言えば豪ドル円の“為替差損取引が難しい”ということが言えるでしょう。