FX取引には、まだ一般的になってから間もない通貨ペアでも、おすすめのものはあります。 “トルコリラ円”は、それの代表格と言えるでしょう。 近年、このトルコリラを扱っているというのを、全面にアピールしているFX会社も増えてきています。 それほど、トレーダーの間で人気が上がってきているということですね。 トルコリラ円を取引するときは、トルコリラという通貨の特徴に、大いに気を付ける必要があります。 どんな取引をしていけば良いのか、解説します!
目次
圧倒的な高金利とリスクが隣り合わせのトルコリラ
トルコリラは、金利が非常に高い通貨です。
しかし、トルコリラの高金利通貨としての立ち位置は、有名な豪ドルやNZドルとは、少し一線を画したものになっています。
トルコリラは新興国通貨です。
トルコという国自体が、イスラム過激派などの組織と関係が深く、戦争やテロなどのリスクを多く含んでいるため、それがそのまま、通貨の安全性に比例しているとも言えるでしょう。
トルコリラ円の基本的なトレードスタイルは、やはりスワップトレードになるでしょう。
トルコリラの現在の金利は8.00%で、高金利通貨として有名な豪ドルですら、比べものにならないほどの高金利を誇っています。
金利が0.1%の日本円と組み合わせるということは、この両通貨には7.9%もの金利差があるということですね。
単純に、これがトルコリラ円最大の魅力と言えるでしょう。
トルコリラの安定感の無さに注意
スワップトレードで注意しなくてはいけない点は、トルコリラ円の安定感のなさでしょう。
現在高金利を維持していると言っても、最高金利の時に比べると、約半分まで金利は引き下げられています。
またトルコはカントリーリスクが多いので、豪ドルやNZドルと比べても、政策金利の安定感に欠けると言えるでしょう。
いくら低金利の日本円との通貨ペアとはいえ、売り建てのスワップ金利が発生すれば、トレーダーへのマイナスは計り知れません。
そして、まだ一般的になって日が浅いため、FX会社によってスワップ金利にはかなりバラつきがあります。
とにかく取引コストを抑えて、スワップ金利獲得に徹する!
これはトルコリラに限らず、新興国通貨全般に対して言えることですが、“スプレッドの差が大きい”というのも、1つ難しい点ではあります。
ここでいうスプレッドの差とは、AskとBidの差のことです。
つまりこの2つのスプレッドが開いていると、トルコリラを買った直後に、安い価格で買い取られるということケースが増えるのです。
このスプレッドの差が、取引コストを大きく増加させてしまうことにもなります。
FX会社では、平均でトルコリラ円のスプレッドの開きは、8銭~20銭程度あると言われていて、なるべく開いていないタイミング、FX会社を選ぶのが賢明でしょう。
これもトルコリラ円だけに言えることではないですが、高金利通貨は、それなりにスプレッドで取引コストがかかります。
トルコリラ円のスプレッドは、円に直すと1回の取引で800円~2,000円も消費していることが分かります。
世界的に流通量の多い米ドル円、ユーロ円は30円~160円程度ですので、トルコリラ円は取引する時点で、他の通貨ペアより損失があると考えることもできるでしょう。
スプレッドが高いので、短期トレードでどんどんポジションを建てるのには、あまり向いていないでしょう。
長期トレードで、継続的にスワップ金利を獲得していければ、トルコリラ円を運用した甲斐があると言えるようになります。
取引量の少ない時間帯は非常に危険!
トルコリラ円を使った取引の、他の情報もお教えします。
先ほど、ポジショントレードに向いているという話をしましたが、デイトレードでは使えないというわけではありません。
むしろFX初心者は、デイトレードで高金利通貨を使用するのが、消去法で行くと1番無難だと言えるでしょう。
デイトレにトルコリラ円を生かすのであれば、単純に“スプレッドが狭いFX会社”を選べばよいのです。
今の時代、FX会社が取っている取引手数料と言えば、スプレッドぐらいしかありません。
取引の時間帯にも注意が必要
またトルコリラ円は、最近人気の出てきた通貨ペアで、なおかつスプレッドが高いとなれば、スプレッドを狭くして、トレーダーを獲得しようと考えるのが普通です。
取引コストの問題で、トルコリラ円の運用を断念しているトレーダーもいるかもしれませんから、FX会社は必ず価格競争を行っています。
そしてトルコリラという通貨を使うには、“取引時間”も大きく関係してきます。
流動性が高く、取引量の少ない時間帯で売買してしまうと、値が飛んでしまったり、スプレッドが大きく開く原因になります。
特に、日本時間の昼にこの現象は顕著に現れます。
オセアニア市場や東京市場では、全体的に、トルコリラ円の取引がほとんどないからです。
ロンドン市場とニューヨーク市場が開いている、日本時間の17時~25時あたりが、トルコリラを取引しても良い時間帯だと言えるでしょう。
スプレッドも、この時間帯は比較的狭くなる傾向にあります。