FX初心者で、いきなり高金利通貨の取引から始めるという方は、なかなかいないでしょう。 それは、高金利通貨を使った取引方法が、初心者の思い描くFXの形とは、若干合わないということも理由の1つかもしれません。 それでも、高金利通貨が人気の理由は、注意するポイントを把握できれば、それほど高難易度のFX取引にはなりにくいという点でしょう。 南アフリカの通貨であるランドと、日本円を組み合わせた“ランド円”という通貨ペアを紹介します。 取り扱っているFX会社も多く、一般的な通貨ペアの1つだと言えるでしょう。
新興国通貨のランドは課題が山積みの通貨
南アフリカランドという通貨ですが、まずこの通貨のことを知るところから始めましょう。
これまで高金利通貨に触れてきていない人、またFXを始めたばかりの人は、この通貨にまったく馴染みがないと思います。
そもそも、南アフリカの通貨がランドということを、FXで初めて知ったという人も、中にはいると思います。
南アフリカは、アフリカ大陸の最南端に位置し、金やダイヤモンドなど、鉱物資源が多く取れる国です。
新興国の中でも、ハッキリ言って南アフリカは、政治的・経済的な不安が多い国だと言えるでしょう。
ランドの政策金利は7%で、現在もかなりの高金利を維持していることが分かります。
ただし、ランドの政策金利が高めに設定されているのは、経済状況が過熱しているのを抑えているわけではありません。
他国へランドが流出するのを防ぎ、なんとか苦しい情勢をこれ以上崩さないように、耐え忍んでいるという状態です。
ランド円のトレードスタイルと運用するメリットを解説!
ランド円では、非常に多くのスワップ金利獲得が期待できます。
1日単位で言うと、買い建てポジションを持っているだけで、大体15円程度のスワップ金利が獲得できます。
1年以上の長期保有ということになれば、それだけで5,000円以上のスワップ金利が獲得できるというわけですね。
さらにランド円は、FX口座に預ける“必要証拠金”の額が少ないというのも特徴です。
証拠金を多く使用することなく、ポジションを持つことができる上に、スワップ金利はしっかり獲得できるのです。
もちろん、ずっとポジションを保有していても、余った証拠金を別の通貨ペアに充てることもでき、効率的にいろんなトレードスタイルが並行できます。
ランド円の基本的なトレードスタイルは、やはりロングトレードで狩られずにポジションを持ち続けるというスタイルでしょう。
下降トレンドに注意
注意してほしいのは、FX相場の下降トレンドです。
スワップ金利を獲得して、利益を増やせる一方で、レートの下降によって生じる為替差損も、無視することはできません。
スワップ金利を獲得していても、トータル収支がマイナスになってしまったら、何の意味もないということです。
ランド円のスワップトレードは、どんどん資金を投入すれば良いというものではありません。
証拠金が少ないという特性を生かしながら、必ず低レバレッジで穏やかにトレードしていきましょう。
トレンドに対して、順張りのショートを行うというのも1つの手です。
もちろん、マイナススワップが常に出ることは覚悟しなくてはいけないので、利益確定してすぐにイグジットすることは大前提です。
損切りのラインをはっきり設定してから、取引するようにしましょう。
人気はあるが、勢いは徐々に衰退しているランド
ランド円を取引する上での、ファンダメンタルズについて解説します。
冒頭で紹介したように、ランドという通貨は、資源国通貨としての顔も持っています。
資源の価値が上がれば、もちろんランドの価値も上がる傾向にあると言えます。
つまり“相関関係”というわけです。
その資源国通貨としての顔ですが、近年はそれが薄れつつあると言われています。
なぜかというと、以前は世界1位の産出量を誇っていた金が、現在は世界7位にまで落ち込んでいるのです。
ランド円のFX相場が変動する要因の1つとして、考慮することは大事ですが、あまりこのことに引っ張られすぎてもいけません。
取引は圧倒的に少ない
また新興国通貨としての顔としては、やはり世界的な規模で見ると、取引量がメジャー通貨に比べて、圧倒的に少ないです。
少し取引のバランスが傾いてしまうと、ランド円のFX相場はその方向に大きく傾きやすくなるでしょう。
また世界的な金融危機が起こった場合、慢性的な不景気の場合、ランドはまったくと言っていいほど買われなくなります。
新興国通貨には、なかなか有事のときに人が集まらないのが現状です。
そして極め付きは、ランドという通貨の“価値が下落し続けている”という事実です。
2016年には史上最安値も更新しているので、いくら安くても無暗に水準感で買わないように気をつけてください。
スワップトレードの知識がしっかりあれば、証拠金も少なくトレードできるので、FX初心者も手の届かない通貨ペアではありませんよ!