FX取引は、トレーダーによって、取引に適している時間は大きく異なります。 例えば専業トレーダーであれば、FX取引に費やせる時間も多いですが、兼業トレーダーは、仕事の合間を縫って取引しなくてはいけません。 またその兼業トレーダーの中でも、会社員や主婦、学生などに細分化されていきます。 昼間、夕方、夜と兼業トレーダーでも、適している時間は違うでしょう。 FX取引は24時間、取引が可能であれば、さまざまなトレーダーのニーズに応えることができますよね。 FX取引が24時間取引できるというカラクリ、また注意すべきポイントなどをお教えします。
目次
24時間取引できるのではなく、“24時間市場がオープンしている”
FX市場は、24時間オープンしています。
しかし正確に言うと、“24時間取引ができる”という言葉には語弊があります。
それについては、後々説明していきましょう。
まずFX市場は、株式の証券取引所のように、FX取引を行うための決まった場所が存在しません。
FXは物理的に取引するものではないので、当然ですね。
FX市場は、ニュージーランドのウェリントン市場、そしてオーストラリアのシドニー市場と、オセアニア市場のオープンから1日が始まります。
次いで日本時間の午前中に東京市場、夕方ごろにロンドン市場、そして夜からニューヨーク市場が順番にオープンしていきます。
取引の中心となるFX市場が、時間帯ごとにバトンタッチされていき、最後にニューヨーク市場がクローズするのが、日本時間の翌日6時で、FX市場の1日は終了します。
正確に言うと、1日のFX市場は、24時間以上どこかしらの市場がオープンしている状態になります。
“FX取引が24時間取引できる”という認識は、このFX市場の1日の流れが、そうイメージさせているのではないでしょうか。
ほとんどのFX会社で、ニューヨーク市場の終了時間を、FX取引の1日のクローズと見なしているのも理由の1つでしょう。
活発な時間帯は、やはり世界三大市場が重なる時間帯ですが、活発でなくても、取引は確実に1日の中でどこでも行われています。
なぜ、FX取引は24時間可能ではないの?
先ほど言った、“FX取引は24時間取引できない”という言葉の真意について、解説していきましょう。
確かに、FX市場は24時間オープンしていますが、FX会社とトレーダーの契約によって、トレーダーは24時間取引できないのです。
特に、世界一早くオープンするニュージーランドのウェリントン市場で、取引ができるFX会社は、国内にはほとんど存在していません。
月曜日の早朝は、オセアニア市場で“窓開け”という現象が起こり、トレーダーが予想したレートから取引を始められないというケースもあります。
そして、ニューヨーク市場がクローズする時間は、ロールオーバーと言って、翌日にポジションが持ち越される時間があります。
このロールオーバー時をきっかけに、FX会社は一斉にメンテナンスを行うため、20分~30分ぐらい、取引できません。
そもそも、メンテナンス中はレート配信もされないので、トレーダーは動きようがないということです。
FX取引が24時間可能ではないというのは、このようにトレーダーとFX会社の関係に影響して、取引できない時間がどうしても出てくるということです。
土日は金融機関が休みなので、金曜日の終値付近は注意しておくべき
もう1つ言えることは、“土日はほとんどの金融機関が休み”ということです。
先ほど少し触れましたが、オセアニア市場によって発生する“窓開け”は、この土日の休みが影響しています。
土日は金融機関が休みとは、その間ももちろんFX相場は変動しています。
土日に大きな変動があった場合、月曜日の週明けのレートが、土日の前に付けた終値、つまり金曜日の終値から、大きく乖離してしまいます。
これは、トレーダーにとってどうしようもない現象とも言えるでしょう。
それほど大きな動きが起こることはありませんが、FX市場が24時間オープンしている“弊害”と言えるでしょう。
オセアニア市場の取引量が少ないというのが、唯一の救いと言えますね。
統計的なデータによると、取引ができない日曜日の14時までに大した変動がない場合、窓開けによる影響も少ないと考えられています。
以前は日本も土日の取引が可能だった
日本のFX会社で、土日のFX取引が可能なところはあるのでしょうか?
以前は、土日のFX市場を仲介しているFX会社を利用すれば、土日でも取引が可能でした。
海外から進出してきたFX会社で、土日の取引をカバーできる会社もあったのですが、現在そのサービスは行われていません。
ですので、月曜日のFX取引も注意が必要ですが、金曜日(正確には土曜日の深夜)の終値も、注目しておく必要があります。
土日が休みなことは、トレーダーはもちろん知っています。
ですので金曜日のニューヨーク市場のクローズ間近、もしくは夜中あたりは、普段の平日では見せないような、大きな値動きが起こったりする可能性もあります。