FX口座を1つしか開設してはいけないというルールは、FX取引には存在しません。 むしろ上級トレーダーは、ほとんどが複数のFX口座で取引を行っています。 FX初心者は、複数FX口座を開設するというのが、イマイチイメージできないかもしれませんね。 どういうところにメリットがあり、そして注意するポイントはどこにあるのでしょうか。 理由さえ分かれば、FX初心者も自分のトレードスタイルを見直すきっかけになるでしょう。
目次
各トレードスタイルに強みのあるFX口座を選ぶ
FX取引には、短期トレードから長期トレードまで、さまざまな種類のトレードスタイルがあります。
短期もスキャルピングやデイトレード、長期も為替差益を狙ったポジション・スイングトレードや、高金利通貨を使用したスワップトレードなど、細分化はいくらでもできます。
もうお分かりかと思いますが、“それぞれのトレードスタイルに適したFX口座”というものは、バラバラに存在しているのです。
短期トレードに向いているFX口座は、スプレッドが狭く、約定力の高い口座でしょう。
特にスキャルピングは、細かく何度も取引を行って、小さな利益を積み重ねていくスタイルです。
異なるトレードスタイルは損失につながることもある
スプレッドが広ければ、取引すればするほどコストがかかります。
またスリッページを頻繁に起こすようであれば、思うように利益が獲得できません。
短期トレードは、少しのスリッページも命取りになる場合があります。
長期トレードは、ある程度レバレッジを利用して行うことも想定され、損失も出しながら利益も最低限出すという形になるでしょう。
1つの口座で、異なるトレードスタイルを交互に行っていると、そのFX口座の長所が上手く使えなかったり、思ってもみない損失に繋がってしまったりもします。
1回や1日といった取引の単位では、それほど気付かないかもしれませんが、気づいた時には損失が膨らんでいるという状況だけは、避けるようにしなくてはいけません。
1つの口座がダメでも、他の口座でダメージをカバーできる可能性がある
もう1つは、“利益を安定して出せるようにする”という意味合いがあります。
例えばFX口座が大きく変動している場合、1つのFX口座だけで取引していると、その口座で打撃を受ければ、その損失の捌け口がありません。
複数口座を持っていれば、1つのFX口座で出た損失を、もう1つの口座でカバーできる可能性があります。
また大きな相場変動があるときは、注文が殺到して約定しにくくなったり、FX会社のサーバーがダウンして取引自体が不可能になる場合もあります。
このようなFX取引で起こり得るリスクを事前に予測しておき、複数の口座に資金を振り分けるというのは、リスクヘッジとしてとても一般的なものです。
もっと言えば、専業トレーダーの中には数千万円以上という、大金を使って資産運用さているトレーダーもいるでしょう。
効率的に利益を狙うこともできる
FX会社が倒産・破綻してしまうというリスクも、決してゼロではないのです。
資金が多ければ、必然的に注文が約定するまでのスパンは長くなります。
約定までの時間を有効に使うためにも、やはりFX口座は複数必要でしょう。
そして、それぞれのトレードスタイルに特化したFX口座を使用しているのであれば、利益のチャンスは格段にアップします。
メイン口座でデイトレードやスキャルピングを行って、目標となる利益を稼ぐ。
それと並行して、長期トレードをしているFX口座を確認し、売買ポイントを表していれば、そちらに移行して取引をする。
ある程度資金があるトレーダーであれば、このようにとても効率的に利益を狙うこともできるのです。
厳しく言えば、このようなスタイルで取引していかないと、資産を分散しているのではなく、資金の減りをむしろ早めてしまうことにも繋がります。
リスクの増加や、各FX会社のキャンペーンの取りこぼしに注意
もちろん、複数のFX口座を持つことには注意点もあります。
先ほど、1つの口座でダメージを負った場合、他の口座でカバーできると言いましたが、必ずしもそれぞれを補完し合えるというわけではありません。
口座が増えれば、利益のチャンスが増えるのと同時に、当然ながら損失のリスクも増えてしまいます。
すべてのFX口座が同時にダメージを受けないように、常に目配せをしておく技術は必須になります。
そして、複数のFX口座を使用するのであれば、各FX会社のキャンペーンをしっかり受けるように心がけましょう。
特に入金キャッシュバックや1lot取引でのボーナスなどは、FX初心者にとってもハードルの低いキャンペーンなので、取りこぼさないようにします。
もし複数のFX口座で損失が出たとしても、上手くいけばキャンペーンの分で、その金額が賄えるかもしれません。
1つでもFX口座を選択するのは慎重に行わなくてはいけませんが、キャンペーンなども加味するとなると、より慎重に、各FX会社の特徴を理解して選択する必要があると言えるでしょう。