FX初心者は、実際にFX取引をする前に、まずできるだけの知識を吸収します。 しかし、頭では分かっていても、なかなか実際の取引で実力を発揮できないのが現状です。 それは、現在上級トレーダー、プロトレーダーになっている人でも、必ず経験している大きな壁です。 その壁を超えるための大きな手助けとなってくれるのが、各FX会社が提供してくれている“デモ口座”でしょう。 デモ口座で行うトレードを“デモトレード”と言い、FX初心者にとっての後押しとなってくれることは間違いありません。
“損失を出したくない”と考えれば、トレーダーは負のスパイラルに陥る
FX初心者はなぜ、得た知識を実際のトレードで発揮できないのでしょうか?
大きな要因は、やはり“損失を出したくない”という気持ちの強さでしょう。
FX取引は、損失を出したくないと考えれば考えるほど、損失が膨らんでしまう取引と言えます。
それはFX初心者の場合、特に顕著に現れ、パニックになってなかなかセオリー通りの取引ができません。
例えばFX初心者にとって、もっとも意識する必要がある“利食い”と“損切り”。
少しでも含み益が出れば利食いで利益を確定し、少しでも含み損が出れば損切りで損失を抑える。
頭では分かっていても、実際取引しているときは、知識を得たときと“同じ精神状態”ではありません。
極端に言えば、取引中はこのFX取引の定石すら、薄れてしまっている状態になるのです。
その精神状態をコントロールするには、徹底して自己ルールを守る強い決意が必要です。
独学でFXをしようと試みて、この“感情のコントロール”という壁にぶつかり、セミナーやプロトレーダーに助言を求めるというケースは、少なくありません。
実際に取引してみないと分からない、目に見えない壁によって、どんどんFX初心者は深い沼にはまってしまうことがあるということですね。
ノーリスクノーリターンでFX取引の仕組みを体験できる!
デモトレードを行うメリットを紹介します。
デモトレードは、実際の取引と同じ状況を、ノーリスクで体験できるというのが最大のメリットです。
デモ口座で確認できるチャートは、実際の為替レートが反映され、テクニカル指標や特殊注文なども、リアルな取引と同様に使用することができます。
先ほど、FX初心者が実力を発揮できない大きな理由に、“損失を出したくないという気持ち”があると言いましたね。
デモトレードは、その大きな要因である“損失を出したくない気持ち”をまったく持ち込むことなく、取引に臨むことが可能です。
もちろん、仮想の通貨を利用したトレードなので、もし取引によって利益が出ても、それを受け取ることはできません。
デモトレードは、“ノーリスクノーリターン”のFX取引です。
他のメリットとしては、当然ながら単純に、FXの技術を磨く練習場として利用できるという点です。
実際の為替レートが反映されているので、“こういう状況だと、これぐらい利益が出るんだ”というようなことも、内側から勉強することができるのです。
テクニカル指標の組み合わせなども、知識として頭に入れるのは容易いですが、実際に使ってみれば、使いにくいと感じたり、思わぬ相性を発見できる場合もあります。
こういうテクニカル指標の“お試し”も、デモトレードならいくらでも可能です。
損失をどれだけ出しても構いませんので、自分のトレードスタイルをある程度確立させるのにも効果的です。
デモトレードで1番経験するべきなのは“損失を出す怖さ”
デモトレードを行う際の注意点も解説します。
デモトレードは、“リアルなトレードを想定したトレード”を行うというのが前提です。
つまり、リアルなトレードに生かせないような当てずっぽうの取引などは、何の意味もないということです。
“この場面はどうすればいいのか”、“ここで失敗すれば、どれくらいの損失が出るのか”など、常に本番に生かすことを考えましょう。
またもう1つ言えるのは、デモトレードで利益を出せたからと言って、リアルなトレードでもその方法で利益が出るわけではないということです。
同じ手法ばかり使っていても、なかなかリアルな取引に技術を移行できません。
そしてデモトレードで利益を出してしまうと、“利益が出たときの喜び”を体験することになります。
これはもちろん、経験として悪いことではありませんが、リアルなトレードで“利益を深追いする”ということにも繋がりかねません。
デイトレードで学ぶべきなのは、どちらかと言うと利益の喜びよりも、“損失の怖さ”です。
損失を出すことが自分のプラスになると考えて、積極的にいろんな手を試してみるのが、デモトレードの正しい使い方でしょう。
デモ口座を選択する際は、限りなくリアルな取引に近いものが体験できる、スペックの高い口座を選ぶようにしましょう。
デモ口座がないFX会社を選ぶことは、自分で利益を遠ざけているとも言えるでしょう。